松本 尚之
社会分析スタジオ

松本 尚之

MASTUMOTO Hisashi
専門分野
文化人類学
受験生・学生へのひとこと

先日、ナイジェリア関連のウェブサイトで一枚の写真を見かけた。伝統的な仮面衣装に身を包んだ踊り手が、警察官の職務質問を受けていた。かつてナイジェリアでは、仮面の踊り手たちは祖霊が乗り移った存在と信じられ、人々から恐れられていた。司法をつかさどり、罪人を裁く存在であった。それが今では、下っ端の警察官に捕まって地べたに這いつくばっている。様々な価値観がぶつかり合う今を象徴するかのような写真だ。

仮面の踊り手たちは今日では海を渡り、日本にもやってきている。2013年に横浜で開催されたアフリカ開発会議のイベントで、日本に暮らすナイジェリア人たちが仮面の踊りを披露し、その写真が新聞に掲載された。遠い遠い「異文化」が、気がつけば私たちの身近に当たり前のように存在する。

グローバル化が進む今日、ますます社会は異種混沌としてきており、「異文化」に触れる機会も増えた。私が専門とする文化人類学は、そんな「異文化」についてフィールドワークを通して現場で考える学問である。

日本に住む私たちは、仮面をまとった人間を祖霊とみたて恐れる人々を、自分たちとは異なる奇妙な存在と考える。しかしそんな私たちも、遊園地に出かけ、ネズミやアヒルの着ぐるみをまとった人間と握手をしたり写真を撮ったりして悦に入る。「異なる」と思った行為が意外となじみ深いものだと気づき、当然視していた異文化と自文化の境界が曖昧となる。文化人類学を学んでいて面白いと思うのは、そんな時だ。

主な担当予定科目
文化人類学の考え方、社会分析基礎論、文化人類学講義、
エスニシティと共生、都市人類学演習、社会分析スタジオ、課題演習、
卒業研究
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