都市社会共生学科について

人文社会学の叡智を駆使し、
都市社会の多様性と共生の課題に挑戦します。

新たな視点で多様性を創造し、世界の潜在力を増殖させる

The Soul selects her own Society. - エミリー・ディキンソン

幾多の異質な存在が、数えきれないほどの場面で遭遇し、混在し、闘争し、変容し、共生しようとしているこの世界は、ひとつの組織や国家、さらには人種・人類という単位を超えて惑星の表面に広がっています。
 都市社会とは、人類の視座から構築された、この世界の魅力的な縮図です。と同時にそれは、国家・組織・科学・技術・道徳・文化などによって、この世界をさまざまに縮減・動員・制御・支配しようとする、(破局や失敗と絶えず隣り合わせの)人間的・社会文化的な権力・統治空間でもあります。
 人間の活動が、惑星の環境・生態系にも大規模で不可逆な変容をもたらしている近現代の「人新世」では、特にこうした都市社会が肥大化してはいないでしょうか?またそのため、都市社会それ自体が、人類を含む惑星の現在・未来にとっての重要な問題、思考・検証・刷新すべき大事な課題として、再浮上しているのではないでしょうか?

現代の都市社会には、政治・経済的環境の相違や価値観・文化的背景の相違などから生じる問題も多々あります。しかし、そこでは多様性それ自体が問題なのではありません(多様性は世界の条件なのですから)。むしろ、経済格差や民族差別や性差別など、支配的・一元的な価値体系によって生じた、相違・階層関係、またそうした関係が当たり前のように固定化されてゆくことが問題なのです。
 だからこそ、今、新たな人文社会科学の視点を切り口に私たちは問い直す必要があります。肥大化する都市社会を通じて、世界の多様性を一元的に縮減・動員・制御・支配しようとする権力・統治の原理や、人間的・社会文化的な視座を。そして、世界の縮図としての都市社会から世界の多様性をもっと創造し、その多様性をさらに遭遇・変容・共生させる、つまり世界の潜在力を増殖させることに向かってゆかなければなりません。
 この思索的かつ実践的なプロジェクトの過程と目標を、私たちは「都市社会共生(Urban Social Collaboration: USC)」と名づけようと思います。

都市社会共生(USC)を掲げるこの学科は、教育人間科学部人間文化課程を前身として生まれました。それは、人間を支配・統治・制御の対象(労働力・消費者・兵力・国民・人口…)に閉じこめ、国家・組織の道具(「○○人材」…)へと人間を整形するような、国家・組織従属の学科ではありません。「単位取得」や「就職活動」だけのために、あるいは「世間の空気」や「近隣の人々の(暗黙の)希望」のために、自分自身の感覚・感情・知性を硬直させたり、知的関心と経験の幅を狭めたりしないでください。
 知るべきこと、不思議なこと、驚くべきこと、不可解なこと、この世界で経験したいことは、無限にあります。ここでしか遭遇できない沢山の分野に、どうぞ果敢に踏みこんできてください。そのときみなさんは、都市社会共生(USC)をめぐる幅広く、奥深い知を探求していくための地図、そして「より可能性のある世界に開かれた都市社会」の予兆を表現・展開していくための通路や活動を、この学科の到るところで発見してゆくことでしょう。
 都市社会共生学科は、そんなあなたのための学科です。

都市社会共生学科が求める学生像

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    多様性が生み出す課題と可能性の本質を理解し、
    人間・自然・技術が調和した社会づくりに貢献したい人

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    まちづくりに文化や芸術が果たす役割を学び、
    その潜在性を開花させて社会をより豊かにしたい人

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    国内外の都市の格差や貧困の問題を
    自分のこととして受け止め、その解決に貢献したい人

三つの力を育むことで、都市の未来を担える学生を育てます

  • 1学び・ほぐす力

    「コモンズ科目」を通じて、「人間と社会のあり方への相対化や批判的な思考」を育むことで、物事の重層的な理解ができる学生を育てます。

  • 2つなぎ・深める力

    「演習科目」と「関連科目」を通じて、異なる知をつなぎ、今とは違う世界の捉え方や具体的な課題対処の方法を学んでいきます。

  • 3働きかけ・変えていく力

    実践教育(スタジオ教育・国内外でのインターンシップ等)を通じた現実課題へ関わりにより、コミュニケーション力・分析力・課題対処力を高めていきます。